白衣を着用する理由

病院や実験・研究室などでは白衣を着用することが普通のことになっていますが、着用する利点は何かあるのでしょうか。

以前、白い布は細菌等の病原菌に対する防衛力があるからと言われていました。確かに包帯などは白布が多く、見るからに清潔感があって気持ちが良いものです。

白衣を着用する理由には、清潔性とか権威付けの為とかいろいろ言われていますが、特別な理由はないようです。ただ、病院などでは患者が出血をしている場合に白衣に血液が付着していれば認識しやすい、つまり白地に赤色が着けば目立ちやすいことは確かで、異常の発見に役に立つこともあります。しかし、着用するもっともな理由は長年の習慣によるもののようです。

今では病院などでは淡いブルー系やピンク系の色物のナース着(ユニフォーム)が増えてきていますし、アメリカでは10年ほど前から9割以上の病院で「スクラブ」と呼ばれる柄物のナース着が普及しています。日本では色物や柄物も白衣と呼ばれますが。

白衣の歴史はナイチンゲールが白衣の天使と呼ばれたことに由来して着用するようになったと言われています。日本には白衣は明治の後半になってから導入され、当初、夏場には着物のような裾の長い白衣の下に浴衣を、冬場には黒地の内着を着用していたようです。

それまでの長い裾丈の白衣から現在のような裾丈の短い(膝下までの)白衣は昭和になってからです。裾丈の長い白衣は床に着くなど不潔であったために床上9寸(27センチ)とするように決められました。